皮膚炎(アトピー、湿疹)
※ざっくり説明
私たちの体を作っているのはなんでしょうか。毎日のご飯です。
私たちは日々の食事からいろいろな栄養素を摂取し、それを胃・小腸・大腸で細かくして濾し取りやすくし、肝臓・腎臓で要と不要により分け、要るものは血液にのって体中に配られます。そして不要なものは体の外にでるまで時間がかかるため、一度肝臓や膵臓で無毒化された後、排泄物(汗やウンチやおしっこ)として体の外に出します。これを消化といいます。
しかし、体の外に出しきれなかったものは当然体の中に残ってしまい、それが体の免疫細胞から悪者A(だいたいタンパク質のことが多い)として認定され、体中の免疫細胞VS悪者Aの攻防が始まり、その経過(あるいは結果)として皮膚に炎症という形で現れたものがアトピー(皮膚湿疹)です。※体の免疫細胞はウイルス戦は得意ですが、食べ物や化学物質由来のタンパク質はそこまで得意じゃないです。
これを改善するため、西洋医学では
①悪者Aの正体を調べ(抗原検査)、その原因となる物を避ける
②免疫細胞に、「この体を脅かすような問題はないから炎症を起こさず、落ち着け」という命令をだす薬を服用
③局所的に皮膚炎を起こしてるところに、②と同じように「戦わなくて大丈夫だよ」と落ち着かせる塗り薬を塗る
ということを行います。
東洋医学もだいたい同じことを目的に治療します。が、その方法が大きく異なります。鍼灸院(流派)によってその方法はまちまちですが、当院では
①体のどこが弱っている(もしくは強くなり過ぎている)かを何種類かの方法で確かめ原因を探す
②鍼やお灸で、強化し(あるいは少し弱らせ)「普通」ぐらいにする
③できそうならご自宅でもお灸をしてもらい、施術効果が長持ちするようにお伝えする
という流れになります。
即効性において西洋医学は特に得意ですが、その分副作用も懸念されるところです。この点、東洋医学は副作用の心配をせず利用できます。
ただし、西洋医学でも東洋医学でも共通しているのは、積み重ねによってできた病気なので根本的な改善には長期的に時間がかかると見た方がいいと言う点です。
患者様にはその点をしっかり把握していただいた上で、ご自身にあった治し方に出会っていただきたいと考えています。